月刊LaLa2020年11月号(10月24日販売)の『この凶愛は天災です』第8話!
この記事では第8話のネタバレと考察・感想を紹介しています。
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『この凶愛は天災です』第8話のあらすじ・ネタバレ
猫美、もやもやが止まらない
混沌の「勾玉の所有者でなければ見殺しにした」という言葉に、何故かもやもやした気持ちを抱える猫美。そのせいで、混沌と上手く話すことができなくなっていた。
その上、檮杌も家から飛び出してしまっていた。猫美は探しに行くべきか悩んでいた。
「名前覚えてなかったのがいけなかったのかな」と呟く猫美に、窮奇は「あれはそんな些細なことは気にしない」と声をかけた。
猫美がじゃあどうして、と出て行った理由を尋ねると、窮奇は檮杌が人間の持つ愛情、愛される事に興味を持っているのだと話した。だから、今頃は町で女性漁りなどしているのではないのか、と――。
一方家を出た檮杌は、大きな屋敷の物陰で、人を呪い殺す壺を手にしている女性を見つけた。
「お姉さんはやっつけたい人がいるの?」声をかける檮杌に、どうやって屋敷の中に入ってきたか訝しがりつつ、使用人の女性は屋敷の人間がいなくなればお金を奪って自由になれるのにと憎々しげに呟いた。
「ぼくが消してあげるよ」「そうしたらお姉さんはぼくの事を愛してくれる?」妖しげな笑顔を浮かべながら、檮杌は女性にそう持ち掛けた。
檮杌を探して屋敷へ
「女漁りなんて、ろくな事にならないのは目に見えています」と、猫美は混沌・饕餮・窮奇を引き連れて檮杌を探していた。
栗色の髪の少年は屋敷に入っていったという町の人からの情報で、その屋敷の門の前にたどり着いた猫美たち。
あんな短身ほっとけ、朝飯が先だと面倒がる饕餮に、猫美は「栗(リース)さんを探すのが先です」と突っぱねた。
しぶしぶながら門の屋根を飛び越えて屋敷内に侵入する饕餮。その後に、手柄を渡すまいと追って入る窮奇。勝手に入るなと止める猫美を、混沌は抱きかかえて門を飛び越えた。
猫美は「ありがとうございます…」と言いつつも混沌と目を合わすことができない。こんな変な態度をとっていたら、混沌から不審に思われると思いつつこのもやもやが何なのかわからかった。
猫美がもやもやしていると、饕餮と窮奇が屋敷の見張りに追われて猫美たちのところへ走ってきた。
「今から殺るんだよ」と不敵に笑う饕餮と、「たまには人の子に追われるのも悪くないですね」と楽しそうな窮奇を猫美は止めようとする。
そんな騒ぎの一角で、檮杌は女性にべたべたしていやがられていた。
騒ぎの中に、檮杌は猫美を見つけた。
女性から「知り合いなの?」と聞かれた檮杌。少し微笑んで、「ぼくを愛さないって言ったひと」だと答えた。
猫美と一緒にいたら
追いかけてくる屋敷の見張りを撒いた猫美たち。猫美は、屋敷の一角に身を潜めて饕餮と窮奇に家というのは家主に許可を貰って入るものだと説教していた。
「栗さんはこんなところで女漁りをしているのでしょうか」と疲れた顔で立ち上がる猫美。
愛情に興味がある、というのもいまいちよくわからないという彼女に、窮奇は檮杌が昔人間の恋人たちを見かけた時の話をはじめた。
その時、その女性が恋人に向けていた笑顔に憧れて、生贄の少女のために村の人間を抹消したり、戦を恐れた女性のために兵を全滅させたりして標的の女性を手に入れてきたという。
話を聞いた猫美は、そういえば自分にも「猫美さえ愛してくれればそれで平気だ」と言っていたことを思い出した。あれは愛情に憧れていたからでた言葉だったことに気がついたのだ。
それなのに、檮杌に対して「愛しませんよ」と言ってしまったことにも。
ふと、猫美が背後の混沌に目をやると、目が合った。刹那、混沌は顔色を変えて猫美に「下がれ!」と声をかけるも、猫美のすぐ近くに檮杌が迫っていた。
不意をつかれ、檮杌から口づけをされ勾玉の力を与えてしまった猫美。
「猫美が悪いんだよ、ぼくを愛さないなんて言うから」と言う檮杌を見て、猫美は自分が彼を傷つけてしまったことに気づいた。
屋敷の人間をやっつけようとする檮杌を、饕餮は面倒だから勾玉の力で止めろと言うが猫美はちゃんと話をしなければならないと心に決めた。
猫美たちから離れた檮杌は、騒ぎを聞きつけて集まってきた屋敷の人間をつぶすために大岩を持ち上げた。人間離れした力を目の当たりにした使用人の女性は、「これが終わったら笑顔でほめてくれる?」と無邪気に聞く檮杌へもちろんよと口では答えるもののその笑顔は引きつっていた。
それを見た檮杌は、あの時見た恋人に向ける笑顔とやはり違っていることを感じていた。
大岩を屋敷の人間たちに投げつけようとする檮杌に、猫美は「栗さん」と呼びかけた。
「ごめんなさい」「私の言葉で傷つけてしまったんですよね」と続けて声をかける猫美。
『もう遅いよ』と心の中で答える檮杌に、猫美はさらに続けた。
「でも私」「あなたの事好みじゃないんです!」
それを聞いて「ここは愛してあげるから暴れないでとか言う所じゃん」と叫ぶ檮杌に、猫美は本気で「愛情」に憧れているあなたに嘘はつきたくないのだと話した。
いままでどんなに愛されても、あの笑顔にたどり着けなかったことに、何かが間違っていたのかと思いを巡らす檮杌。
じゃあぼくのことが嫌いなの、と聞く檮杌に、猫美は手を差し伸べてそんな事はない、と答えた。「家に帰って一緒に朝ご飯を食べたい…くらいには思っていますよ」と。
檮杌は猫美と一緒にいたら、いつか分かる日が来るのかもしれないと考えながら、猫美の手をとったのだった。
猫美、熱さが止まらない
こうして檮杌は無事に家に帰ってきた。
しかし、猫美は混沌から壁際に追い詰められていた。
たびたび自分から目をそらす理由を話すように迫られていたのだ。
しぶしぶ、混沌の言葉に傷ついたのだと話す猫美。自分を勾玉としてしか見ていないことが悲しいということに、ついさっき自覚したのだ。
「ごめんなさい」混沌は、猫美に素直に謝った。猫美が、相手を傷つけたらそう言っていたのを見て覚えたのだと言う。
絶対意味は分かってないだろうと思いつつ、猫美は自分のもやもやが消えていくのを感じた。
混沌の言葉で、今度は胸がぽかぽかして――と思っていると、混沌から不意に抱きしめられ「体が熱くないか?」とおでこをくっつけられた。
「無駄に近づくからですよ!」そう反論しながら、猫美は頭もくらくらして――後ろに倒れこんでしまったのだった。
『この凶愛は天災です』第8話の考察・感想
今回は、檮杌の過去が明かされた回でしたね。
真実の愛を求めつつも空回ってしまう檮杌が、なんだか憎めなくてかわいそうになってしまいました。
しかし猫美も、まさか「好みじゃないんです!」とは…。
読んでいる私も檮杌と一緒にそこは愛しますっていうところじゃないんかい!と思わずツッコミを入れてしまいました。
でも、その真っ正直なところが猫美の魅力なのでしょうね。
それに、猫美が惹かれているのは混沌のようですし…。
さて、今回最後に熱で倒れてしまった猫美ですが、次回は四凶から手厚い看病を受けることになるのでしょうか?
次回もどきどきが止まりません!
まとめ
次回の『この凶愛は天災です』9話は、LaLaにて11月24日に発売されます。
次回のネタバレ・感想の記事もお楽しみに!